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ホワン感: 59歳のとき、左側の尻から左太ももの裏にかけて刺すような痛みに悩まされたことがありました。このとき、左側の足の甲にはシビレが出ていました。そこを人差し指でさすると、”ホワン”と言う感じのシビれが感じられ、当時それを「ホワン感」と呼んでいました。靴を履いているときはずっとホワン感が続き、それが太ももの痛み以上に不快でした。シビレは左のワキ腹にも出ていました。これらは坐骨神経痛と呼ばれる症状と思います。先にも書いたように私は頸椎を損傷したことがあり、身体の一部にシビれがあるのは手術が必要になる「不吉なサイン」と思い、かなり落ち込みました。

その頃、私はほぼ一日中イスに座りパソコンに向かって仕事をしていました。いま、多くの人がそうした状況にあると思います。特に2021年当時は新型コロナ感染症(COVID19)の渦中にあり、オンライン会議や動画作成作業の激増が一層自分をパソコンに向かわせることになりました。「イスに座り続けることで寿命が縮まる」という説もあり、人によっては高い位置に天板をセットして“立った状態”で作業をすることを最近知りました。しかし私はこうした病状になるまで長期間イスに座り続ける生活を送っていました。ラクになるために痛むところを揉んだり動かしたりすると、それが刺激になって一層シビれ感が強まりました。そう言う点が非常に厄介だと思いました。

かつて頸椎手術でお世話になった新札幌整形外科の吉本 尚先生に診て頂いたのは2021年9月28日のことです。診断結果は腰椎ヘルニアでした。手術を勧められるのかとビクビクしましたがそうではなく、”マッケンジー体操”をすることでヘルニアが消失する(体内に吸収される)と教えて下さいました。この体操を紹介しているWEBサイトは沢山あるので興味のある人はご覧になってみて下さい。私はその日からこの体操を始めました。はじめて腰を反らしたときには「これでグキッとなって、腰から下が全部シビれたらどうしよう」と緊張しましたが、そういうことは起こりませんでした。酒井慎太郎という人が書かれた「座骨神経痛は自分で治せる!」という本も大変参考になりました。この本で紹介している脚L字ストレッチは梨状筋に効きました。テニスボールを使った仙腸関節ストレッチも続けました。その結果、3〜4ヶ月後には痛みとホワン感が消失しました。ストレッチをした直後はシビれ感が出るけど、それが短い時間でおさまる様になるわけです。今はそうした過去を忘れる日々を送っています。同じ様な悩みを抱えている人の参考になればと思い、当時のことを想い出して書きました。テニスボールもどこかに行ってしまったけれど、毎日30分は歩くこと、床に腹這いになり腰を反らした状態(マッケンジー体操)でテレビを見ることは今も続けています(2023.4.23)。


頸椎損傷: 私は、今から約40年前の大学3年生の夏休みに、浅はかにも小学校のプールに飛び込み(生まれて始めて)、底に頭を打ち付けて頸椎を損傷する重傷を負いました。事故の直後は握力ゼロ、両手が麻痺した状態でした。その当時はMRIなども無く、傾斜をつけたベッドで顎を吊った状態で7ヶ月間寝て過ごしました。特に最初の3ヶ月間は「折れた部分が固まるまで起き上がることはもちろん絶対に首を動かしてはいけない。」と厳命が下され、ベッドの上で天井の1点を見つめながら「俺はなんてバカなんだろう。」と悔やんでも悔やみきれないツライ毎日を過ごしました。沈んだ気持ちを何とか奮い立たせてテニスボールを握り、首を引っ張り続けました。そうしたらナント徐々に握力が戻り、しびれも次第に無くなって行ったのです。翌年2月に退院したときには「骨は固まっており、いま出ていない症状は今後も出ない。」と言われて非常に嬉しかったことを覚えています。なお、このときにお世話になった病院やお医者さんはもう存在しません。

それから約30年が経過した40代後半、首や肩が異常に凝るようになってきました。そのトシの人は多くがそうなるので、運動したりサウナに行ったりして克服しようとしましたが、ある日を境に左の鎖骨付近がしびれる様になりました。そうなって初めて不安になり、新札幌整形外科病院の吉本 尚先生に診て頂いたのが50歳のときでした。診断結果は「頸椎症」で、プール事故で損傷した椎間板が首の神経根を圧迫し”踏んづけたゴムホース”のように変形させていたのです。しびれは両手両足に広がり始めており、私は吉本先生に「何とか治して頂けないでしょうか?」と懇願しました。先生は手術によって症状が収まる可能性が高いことを丁寧に説明して下さいました。その全てが非常に納得できるものでした。首の手術が怖いという気持ちは勿論ありました。しかし、それよりも”こんな状態では生きて行けない”という焦りや不安の方が強かったのです。吉本先生に頸椎前方固定術と呼ばれる手術(写真)をして頂いたのは2012年5月15日のことです。先生が仰った通り、手術の翌日には歩行が可能で3週間後には退院することができました。

その後、再生した骨の硬度が低い2〜3年は首筋が痛かったものの、手術から約10年が経過した現在の私には首や肩の不調がありません。いま、最初の病院の先生と吉本先生に出会えて良かった、そして手術を受けて良かったとしみじみ思っています。両先生に心から感謝を申し上げます。本当に有り難うございました。今後機会があれば麻痺や不調が治っていった過程について詳しく記そうと思います(2023.4.2)。


アパート: 年季の入ったアパートに住んでいます。デザインは古いけど必要なものはついており、特に不満はありません。7/29〜8/1開催のIBP2022にもこの部屋から参加しました(2022.9.7)。

実験室: 東大に来て3ヶ月が経ちました。柏は先週ずっと35℃越えの危険な暑さだったけど、大学は設備も新しく快適でした。不凍タンパク質の研究を続けています(2022.7.4)。